救急医療の整備求め、消防庁が要望

 07, 2008 12:00
救急医療の整備求め、消防庁が要望

 昨年末に89歳の女性が30の病院に搬送を拒否されて死亡するなど、相次ぐ救急搬送時の“患者たらい回し”の問題を受け、消防庁は厚生労働省に対し、救急医療機関が確実に患者を受け入れるよう、救急医療情報システムへの正確な入力や救急医療機関内の体制整備などを要望する申し入れを行った。消防庁が救急医療体制について厚労省に申し入れを実施したのは約30年ぶり。

 救急医療をめぐっては、大阪府富田林市で昨年末、体調不良を訴えた89歳の女性が近隣の30病院に相次いで受け入れを断られ、約2時間後に搬送先の市外の病院で死亡。今年1月にも同府東大阪市で交通事故に遭った49歳の男性が5カ所の三次救急に受け入れを拒否されて死亡している。

 消防庁はこれまで、奈良県で昨年8月に妊産婦が救急搬送時に死産した問題などを受け、都道府県に対して救急受け入れ体制を確立するよう昨年末に厚労省と連名で通知を出したほか、消防と医療の連携に関する検討会を設置するなど救急医療体制の強化を図ってきた。しかし、昨年末から救急患者が受け入れを拒否されて死亡する問題が連続して発生したため、事態を重く見た消防庁が1月31日、問題の早期解決を図るために申し入れを行った。消防庁が厚労省に救急医療を申し入れたのは1975年以来で、当時は救急医療の需要の増大を背景に、地域によって差があった救急医療体制の整備を求めて救急医療体制の確保を申し入れた。

 申し入れでは、二次、三次救急医療機関が確実に患者を受け入れられる体制の整備や、各救急医療機関が設置しているベッドの空き状況などを知らせる救急医療情報システムに正確な情報を入力することを要望した。システムに受け入れ可能と表示している医療機関は確実に患者を受け入れることや、システムを導入していない救急医療機関の早期導入も求めた。各都道府県に対して受け入れ体制についての指導を実施するなどで、体制の強化を図ってほしいとした。

 また、厚労省が都道府県に対して来年度から新しく始める「救急患者受け入れコーディネーター」の設置についても、確実に配置するよう要望した。地域の事情に詳しい医師を救命救急センターに配置し、救急隊が医療機関の選定に時間がかかりそうなときに近隣の医療機関と調整して患者を搬送できるようにコーディネートするもの。厚労省は2008年度予算で6億9、500万円を計上している。

 消防庁は今月中に三次救急や産科、小児、重症以上の患者の受け入れに関する実態調査をまとめる予定。今後は「調査の結果を踏まえて、要望に対する各医療機関の動きをフォローしていきたい」としている。

 申し入れについて厚労省は、「これを受けて特段何か動くということはないが、昨年末に出した消防長との連名通知で、都道府県には今月末までに産科救急医療受け入れ体制の総点検と対策の提出をお願いしている。その結果を見て今後の対応を考えたい」としている。




救急車で病院に搬送してもらえないなんてとんでもない時代になったものだ…。
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